あなたの眼は輝き
あなたの口は絶え間なく言葉を吐き出し
あなたの手は私の手に重ねられているのに
ふとうしろを振りむいた時の
あなたのうなじだけがまるで
別の生きもののように頼りなく
ひっそりと黙っているのを私は見ました
誰もいない森の奥の
散り敷いた落葉を濡らして
流れるともなく流れてゆく清水
ご自分では決してごらんになれない
そんなあなたの後姿こそ私のもの
いつかあなたが背を向けて
私を拒む時が来るとしても
そのかたくなな無言にこそ
私はあなたの叫びを聞きとりたい
みちばたの雑草の芽が
太陽の光を求めるように
あなたの後姿は優しさを求めている
明日私たちの口にする
誓いの言葉にもましてその無言が
私をあなたにむすびつけるのです
……
素敵だったので思わず。
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